面接でリラックスする方法
前回は採用面接で「緊張を味方につける」心構えについて書きました。今回は「面接でリラックスできる」方法をお伝えします。
面接は「自己紹介」から始まることが多いので、転職希望者ならこれまでの仕事で取り組んできたこと、学生なら学校生活やサークル、アルバイト経験のあと、最後に「趣味」を話して締めてください。だましませんが、「だまされた」と思って試してください。
スポーツ観戦であれ、ゲームであれ、釣りや散歩、音楽鑑賞、史跡めぐり――趣味は人それぞれでしょうが、一人であろうが仲間と一緒であろうが、趣味は何であれ、時を忘れて楽しい時間を過ごさせてくれます。趣味に触れるだけで自然とリラックスできます。明るい気持ちでつらい思い出は話せませんし、暗い気持ちで幸せな出来事は話せません。たった一言、「趣味は~です」というだけでもリラックス効果が期待できます。
ある国立大学の大学院生は「あがり症」で、面接でうまく話せるかが不安でした。理系の専門領域をまったく素人の私にも分かりやすく説明できる優秀な若者でした。趣味は? と聞くと「ラーメンの食べ歩き」だといいます。これだ、と思いました。いかにも勉強好きでおとなしそうな外見とのギャップもあって、人柄を知ってもらうには格好の材料です。「自己紹介の最後に、研究テーマやアルバイト、サークルのあとに『趣味はラーメンの食べ歩きです』と言ってはどうですか」と助言しました。1人で行きますか、友人と行きますか? 塩、みそ、しょうゆといろいろありますが、好みは何ですか? 体重が気になりませんか? 模擬面接で私はそんなことを質問した後、本題に入って、その企業を志望する理由やインターンシップに参加しての感想、取り組みたい事業、専門で仕事に生かせると思う知識、学生生活について尋ねました。
後日、「怖いほど、模擬面接通りの流れでした。練習よりも落ち着いて話せて、無事に内定をいただきました」と報告してくれました。ちなみに彼は「コテコテの豚骨味が大好きで、太りすぎが目下、最大の悩みのタネ」でした。そんなことも面接の冒頭で話題になり、笑いが起きたそうです。
そうなんです、「趣味」を応募者の側が言ってくれると、面接する側にとっても恰好の「リラックスさせるヒント」になるのです。面接員は応募者の「あら捜し」をするのではなくて、「よいところ」を確かめたいので、なるべくリラックスした雰囲気を作ろうと努力します。趣味の話題は緊張をほぐす、この上ないヒントとなります。あとの面接が緊張しながらも、互いに落ち着いた、よい雰囲気で進めることが期待できます。
もちろん、趣味について興味も示さず、「それがどうしたのかね?」とばかりに、いかめしい雰囲気や尊大、横柄な態度を崩さない面接員もいるでしょう。そういう方が代表して面接を担当する事業所なら、職場環境もあまり期待できないし、一緒に働きたくはないと、こちらから「不採用」を突き付ければよい。私はそう思います。
若者コーナーコンサルタント T.N
最終更新日:2024年09月19日