50代からのキャリアチェンジに挑戦⁈ ~人事担当者が語る専門性以上に大事なこと~ | 埼玉しごとセンター

50代からのキャリアチェンジに挑戦⁈ ~人事担当者が語る専門性以上に大事なこと~

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皆様、こんにちは!このコラムを読んでみようと思われた皆様は、今まで一社で長く働いてこられた方、転職しながらも同じ職種で働いてきた方、そして家事・育児・介護(これも立派な労働です!)に携わってきた方など、様々な経歴をお持ちだと思います。そして、50代以上と言えば人生100年時代ではまさに折り返し地点。せっかくの人生後半戦、「今までの業界や職種に捉われず、自分のやりたいことも視野に自分らしく働きたい!」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。まさに「50代からのキャリアチェンジ」です。
今回は、この年代がキャリアチェンジする際のメリットやデメリット、専門性がなくても採用担当者にアピールできるスキルについてご紹介したいと思います。

1.  「キャリアチェンジ」とは。なぜ、キャリアチェンジをするのか?
「キャリアチェンジ」は、基本的には未経験の業種や職種に方向転換して、転職・再就職をすることを言います。業種だけ変える、職種だけ変えるでも構いません。中にはそれとは気づかずにキャリアチェンジをして転職されてきた方もいらっしゃると思います。
理由は、「自分らしく働く」ことを求めるからです。例えば、年代を問わず、「現在の仕事にやりがいを感じない」 「もっと将来性ある仕事に就きたい」 「今の仕事よりも年収が高い仕事に就きたい」 といった理由が多いですが、50代からは、仕事への新たなやりがいや自己成長、地域貢献、家族との時間といった「人生後半戦において大切にしたいことをベースとして、自分らしく働きたい」と考えるからです。

2.  50代からのキャリアチェンジのメリット・デメリット、そして覚悟
そのため、メリットもあるキャリアチェンジですが、デメリットもあります。両方を踏まえて計画を立てることが重要になります。
■メリット
何よりも、働くモチベーションが上がることです。また、自己成長を大切にしている場合には、新たな仕事を通して学びなおすことで新しいスキルを身につけ、成長を実感することもあります。
例えば、子育てもひと段落し、勤務先企業や人生でのご自身の立ち位置や先が見えてくると、ふと、子供の頃からの夢や以前から興味のあった職種、新卒の時には就職できなかった業界などに思いが向き、セカンドキャリアはその思いを実現したいと考えるとワクワクしてきます。また、役職定年や配置換えで仕事のやりがいを見出せなくなる方も多いのですが、現代の50・60代はまだまだ心身ともに若く、新たな業界や職種でやりがいを見出しイキイキ活動できる良さもあります。
■デメリット
企業側は「即戦力」を求めている為、未経験者の採用ハードルは高くなります。そして、採用されたとしても収入がダウンする、社会人経験は豊富でも新人扱い同様のゼロスタートとなる場合もあります。

つまり、キャリアチェンジにはデメリットも踏まえた「覚悟」も大切ということになります。

3.  「私には資格もスキルもない」って本当?
キャリアチェンジをするうえで大切になってくることが、未経験の業界や職種で働くために「どんな資格やスキル(能力)をもっているか」になります。皆さんと面談していると、「私は資格もないし、応募書類に書けるようなスキルもなくて…。」「自信を持って言えるモノが何もないです…。」とおっしゃる方が非常に多いです。でも、1つ1つ丁寧に職務経歴や内容を伺っていくと、出てくる!出てくる! 
失敗体験も含めて豊富な経験をお持ちで、皆さんのスキルが見えてきます。皆さんはそれに気づいてない、言語化できていないだけではないかと思います。

4.   専門的な知識や資格だけが、キャリアチェンジに必要なわけではありません
では、様々な職務経験から培ったスキルとは、どんなスキルでしょうか。
それは、業界や職種に関係なく、仕事をするうえでどんな仕事でもキャリアチェンジでも必要とされる「ポータブルスキル*1」と呼ばれるものです。具体的には、【仕事のしかた】【人とのかかわり方】です。【仕事のし方】は仕事における前工程から後工程のどこが得意かをみており、【人との関わり方】はマネジメントだけでなく、経営層や上司、同僚・部下、お客様など全方向の対人スキルをみています。
どのスキルに強みがあるかによって、今までとは異なる業種や職種への「キャリアチャレンジの可能性」が広がるかもしれません。キャリアチェンジに挑戦したいけど自分の強みが言語化できていない方は、このポータブルスキルの観点でご自身のスキルの棚卸をされると良いと思います。*2

*1 ポータブルスキルは、一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が開発したものです。
*2 ポータブルスキル見える化ツール | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) (mhlw.go.jp)

5.  「人柄(ヒューマンスキル)」で決まることも
一般社団法人*3が人事採用担当者に行った調査結果では、採用時に最も重視した項目は「専門的知識や技術」、採用後に重視すべきだったと感じた項目は「人柄」でした。採用した皆さんが自社のメンバーと上手くやってもらえそうかどうか、適応し協働できるかどうかも重要なポイントになります。
*3 一般社団法人 人材サービス産業協議会

6.  最後に
これからキャリアチェンジをしようか迷った時、資格がない・スキルがないと諦めてしまうのではなく、ご自身の職歴を棚卸するなかでポータブルスキルを整理し、方向性を見つけていくのも1つの方法ではないかと思います。
1人で整理するのが不安だったり、考えが迷走した時には、ぜひ、私達キャリアコンサルタントと一緒に整理していくことをおススメしたいと思います。皆様が人生後半戦を自分らしく働けるよう、一生懸命サポートさせていただきます。

国家資格キャリアコンサルタント GCDFキャリアカウンセラー AY

最終更新日:2023年11月17日