「適材適所」の探り方 | 埼玉しごとセンター
埼玉しごとセンタートップ「適材適所」の探り方

内閣改造や閣僚が失言をした際に人事責任者、つまり首相が決まって使う言葉に「適材適所」があります。その役職や地位にもっともふさわしい人物を充てている、という意味です。仕事を求めている人も、私たち支援者も「適材適所」を模索し、どうすればその人がもっとも輝ける仕事=適職に就けるかを考えます。

「適職」にたどり着く第一歩は、「自己理解」です。ご自身がどういうことが得意なのか、好きなのか、従事することに意味や価値を見出せるのか。逆に不得手、苦手、意味や価値を認めないのか。「どのくらい」も考え合わせて、自分自身について理解することから始めるのが、広く知られている就職活動の出発点です。「自分のことは自分がもっともよく知っている」ことも事実であり、自分のことは意外に知らないという側面もまたあります。「適職」を見つけたいと思っている方、特に若い方にお勧めしたいのは、「体験」です。就労支援では、「啓発的経験」と表現することもあります。

インターンシップは「就業体験」と訳される通り、実際にその仕事について苦労ややり甲斐、達成感を体験することができます。アルバイトは報酬を受けて、職業を経験します。体を動かす体験は資料や説明を読むだけでは分からないことを知ることができます。有償、無償に関わらず、ボランティアも貴重な経験になります。生徒や学生に「職業インタビュー」を勧める教育関係者も多くいます。1時間程度、話を聞くだけで多くのことを学べます。

「体験」「疑似体験」は、それだけではありません。

読書は、主人公の人生や経験を疑似体験し、筆者と対話する経験です。スポーツ観戦は、選手たちと思いや時間、場所を共有できます。勝った喜び、負けた悔しさだけではありません。勝つために積んできた努力、犠牲にしてきたこと、周囲に支えられてきた感謝の念、選手やチームについて詳しく知れば知るほど、感動が大きくなります。2023年はサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボール、卓球と日本選手が世界を相手にこれまでにない好成績を収めました。チームの和に、世界で戦える「個」の力が加わった結果だと、私は思っています。

音楽や舞台、絵画や建築物を見ることも心躍る体験になるでしょう。

仕事探しはつらいことも多く、ひどく落ち込むこともあるでしょう。そんな時は、頭をカラッポにして、何らかの「体験」をしてみてはどうでしょうか。理詰めで考えるより、壁を突破できるヒントが得られることもよくあります。

若者コーナーキャリアコンサルタント N

最終更新日:2024年03月09日