就職活動の場にも「同調行動」の空気が・・・ | 埼玉しごとセンター

就職活動の場にも「同調行動」の空気が・・・

埼玉しごとセンタートップ就職活動の場にも「同調行動」の空気が・・・

以前から日本の社会にはいわゆる「同調圧力」の雰囲気が色濃く存在すると言われてきました。コロナ禍の中、それが更に強まっていると指摘する声も多くあります。例えば、「話し合いの場で周りと違った意見が言えない」、「仕事が早く終わっても自分だけ先に帰ることが出来ない」、「マスクを常にしていなければ周囲から非難される」ということ等です。

就職活動の場に於いては、周囲からの圧力というよりは自らが進んで周囲に対して「同調行動」を取っていこうと考える方達が多いと、コンサルタントの立場から感じることがしばしばあります。即ち、職場での協調、チームワーク、コミュニケーション等の重要性が叫ばれていることから、これに影響され過ぎて一方で大切な自らの個性、人格、人柄等を押し殺して就活している様子があるのです。

この傾向は特に公務員試験を受ける学生の皆さんに多く見受けられます。公務員を目指すそもそもの理由、志望動機、自己PR等、当センターでの模擬面接の場でお聞きしていますが、いわゆる「テンプレ」的な内容が多く、「その人らしさ」という大事なものが伝わってこないのです。心のどこかに無難に無難にという意識が働いて、「他ではない自分」を表に出すことにブレーキをかけてしまっているのではないでしょうか。

この「無難に」ということが「同調行動」の表れだと思います。これでは人物を見るという重要な面接の場で埋没しかねません。
今年4月~7月にかけて20代の男性3人の相談を受けました。来所された時期は違っても3人に共通していたのは未経験の事務職を希望していて、民間のエージェントも利用しながら就活をしていたことです。そしていずれのエージェントでも担当者から言われたことは、事務職の求人は非常に少ない、男性は更に不利である、従って職種を変更してはどうか(例、営業職)等の、“アドバイス”でした。正に就活の場でも「同調行動」を求められた訳です。

しかし、この3人の方達はそれに負けず、自力でハローワークの求人情報を利用し事務職に挑戦していきました。三人三様に応募書類の志望動機、自己PR欄にはオリジナルな意欲、熱意を書き、面接の場では更に人柄を直接アピールしました。結果、3人共最終的にそれぞれの夢を実現し、希望する職場に事務職として元気に就職、転職していきました。

世間から過度に「同調」を求められることに妥協せず、しっかりと自己を確立させ、将来の夢に向かって堂々と就職活動に取り組んでいくことが大切ではないでしょうか。

埼玉しごとセンター 若者コーナー
キャリアコンサルタント:HK

最終更新日:2022年09月08日