伝える力を磨こう
面接がうまくいかない、面接に苦手意識があるなど思われている方もいらっしゃると思います。面接がうまくいかない理由は、様々なことがあります。その中でも今回は、「うまく伝えることができていないように感じる」、「うまくしゃべることができない」など『伝える力』について考えていきたいと思います。
『伝える力』とは
面接での会話をするときに、応募者の頭の中は、「聞いて」→「理解して」→「伝える」という流れがあります。面接がうまくいかないということは、どこかがうまくいっていなかったりするわけですが、「伝える」という点について言うと、一体なにがマズイのでしょうか。
「伝える」ということには更にいくつかの必要なことがありそうです。
① 何を伝えたらよいのかが自分自身理解できている
② 伝えるべきことを、どういう内容で伝えるか構成を考えている
③ 相手にわかりやすいように話す
ということです。まずはこの3つができていれば、かなり違うコミュニケーションになります。ひとつひとつ見ていきましょう。
◆「何を伝えたらよいのかが自分自身理解できている」ということ
当たり前じゃないかと思われる方もいらっしゃるかも知れません。面接は面接官が何か質問をして、どういうことを言っているのかを理解し、それに対して何を伝えるかを瞬間的に判断して話すのが人の反応だと思います。しかし、何かを話すにしても、「何をどう話すのか」が、自分自身あまりわかっていないことがありえるのです。
面接では、自分自身のことを話すか、仕事について話すかがほとんどだと思います。例えば「弊社の志望理由を教えてください」と言われて、すぐに答えられるでしょうか。おそらく、準備をしていなければ、なかなか難しいものですよね。志望動機も「御社の○○に魅力を感じたからです」と語るとする。でもそこに魅力を感じた理由について問うと、十分には答えられなかったりします。自分がなんでそこに魅力を感じたのか、自分自身よくわかっていないのです。これでは少し突っ込まれたら、語れなくなってしまうでしょう。
ですから準備としては面接の想定問答をつくること、つまり文章化してみること。さらに、自分のことを掘り下げて整理した内容のものを準備することが大切です。
◆「伝えるべきことを、どういう内容で伝えるか構成を考えている」ということ
次に、伝えるべきことがわかったとして、それをどのように伝えるかということです。伝えるべきことを、「あーだ、こーだ」ととりとめもなく伝えても聞いている方は、頭の中で整理をしながら聞かなければならないので、実はとても負担がかかります。考えながら聞くかんじでしょうか。ですから聞き手の負担がかからないような伝え方が重要です。
SDS法やPREP法という方法があります。
SDS法は S(要点)→D(詳細)→S要点 という順番に語ること。
PREP法は P(結論)→R(理由)→E(具体例)→P(結論) という順番で語ることです。両方に通じる重要なことは、要点や結論を短めに明確に言い、そののちに理由やエピソードを伝えることです。これらの工夫をしながら語りましょう。
◆「相手にわかりやすいようにしゃべる」
次に、「しゃべり方」「話し方」について。聞き手にわかりやすくするという意味では上記の構成の工夫もそうですが、ここでは、具体的にどうしゃべるかという側面です。
「話のスピード、はっきりとした発話、声の大きさ、声の高低、間の取り方」といったことに対して相手に合わせて、聞き手の反応をみながら、しゃべることです。言ったことに対して、それが伝わっているかどうかは、しゃべってみて、反応をみればある程度わかるものです。相手は、「うん、うん」とうなずいてくれるか、それとも「うん?」と疑問をもっていそうか。しゃべり方について意識して練習をしたいところです。練習相手がいればよいですが、ひとり練習でもよいと思います。
「伝える力」について3点あげました。面接の場面を想定してお伝えしましたが、ビジネスマナーとしても同様です。うまく伝わっていないなと感じる方は是非取り組んでいただき、伝える力を養ってくださいね。
若者コーナーキャリアコンサルタント T・I
最終更新日:2023年01月24日