適性は必要か? | 埼玉しごとセンター

適性は必要か?

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拡大鏡を持つビジネスマン

あった方が良い。でも(強みを生かせれば)無くてもよい。が私の考えです。
久々に自宅にあった国語辞典を開き”適性”について調べてみると、「性質にかなうこと。適した性質」と書かれてあります。

現在売れっ子で多忙のある漫才コンビがいます。そのコンビの内の一人W氏は極度の人見知りで、楽屋にいる間、他の誰とも目を合わせられず、しゃべれず、自分の飲み物、ペットボトルの張り紙に書かれている文字をひたすら読んでいたそうです。
W氏は果たして芸能人、漫才師としての適性(適した性質)があったといえるでしょうか。
どちらかというと否と言えるのではないでしょうか。適性はなくても、面白いネタを考え、相方を生かすことができる能力があることで、現在、その漫才コンビもW氏個人も、大変活躍しています。W氏は、漫才を始めて9年後、ようやく人見知りが治ったと言っていました。仕事を続けていく過程で適性が養われたことになります。

スパイシーなコショウが効いた手羽先で人気のある居酒屋チェーンがあります。創業者であるカリスマ経営者のご主人が大動脈解離である日突然亡くなります。奥さんであるYさんが後を継いで経営者になるのですが、果たして普通の主婦であったYさんに適性があったと言えるでしょうか。ここでも、否という言葉が聞こえてきそうです。実際に会社の経営幹部からは今後の方向性などで鋭い突っ込みがあり、何も答えることができなかったと言っています。
彼女にはご主人のようにトップダウンで指示を出す能力はありませんでしたが、現場の従業員の声を丁寧に聞き、それを経営に生かす能力がありました。経営学は後から一生懸命勉強して身に着けたそうです。意見を聞いてもらえ、以前よりやりがいを感じることができるという社員もいて、会社は引き継ぐ前よりも大きくなっています。

ある島の船団の漁師たちを束ね率いているのは、若いシングルマザーのTさんです。漁をしたことはおろか、魚もさわれなかったTさんに適性はあったでしょうか。魚もさわれなかったし、漁師=男社会ですから、適性があったとはいえないのではないでしょうか。でも彼女には魚を高く売るためのプランを立てる能力と実行する力がありました。今では漁師たちからも認められ、漁師仲間の先頭に立って活躍しています。もちろん魚もさわれます。

いずれの場合も、必ずしも適性があるとは言えない環境で苦労はあったと思います。でも仕事をする過程で適性を身に着け、自分の強み(能力)を生かすことで活躍しています。
こうして見ると、適性の必要性に関しては、〇だけど◎ではないと言っていいのではないでしょうか。
※ 〇=あった方がよい。◎=絶対必要

若者コーナー
キャリアコンサルタント:KY

最終更新日:2021年08月10日