すっかり年末の恒例行事になった「新語・流行語大賞」が決まりました。サッカーワールドカップ(W杯)の時期があと2週間ずれていたら、「ブラボー！！」も選ばれていたかもしれません。「勇気をもらった」「感動をありがとう」と、ドイツに続いてスペインに快勝、決勝トーナメントでも前回準優勝国クロアチアと延長でも決着がつかない激戦を演じた森保一監督率いる日本代表に対する賞賛の声がやみません。
W杯やオリンピックのような国際大会は普段、スポーツに関心が高くない人も注目するので私たちキャリア・コンサルタントにとっても格好の「題材の宝庫」でもあります。
採用面接が苦手だ、あがってしまってうまく話せない、という方は多くいます。そうした方に私は模擬面接をした後、「結果に目が行くから、不安になります。これまでいろいろ準備して、練習してきたじゃないですか。準備に目を向けてください」と話し、森保ジャパンの吉田麻也主将の口癖「いい準備をして、次に臨みたい」を引き合いに出して、「いい準備さえできれば、結果はついてくるものです。やってきた準備に目を向ければ過度には緊張することはありませんよ」と伝えます。さらに体操で「絶対王者」とまで呼ばれた内村航平選手の引退会見での発言、「世界一の練習ができなくなった」を紹介します。世界的な大舞台で「準備」を結果に結びつけた彼らの言葉は採用面接に対しても、強い説得力があります。
宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」から「主人公の千のように、『ここで働かせてください』と気持ちを面接員に伝えましょう！」と話すこともよくあります。できる準備をしたあと、最後は「御社で働きたい！」という思いを目に込める、「気合と根性」です。
不安を口にする利用者さんたちに私は「大丈夫ですよ」のような気休めは言いません。その代わりに、「あなたなりに、やれることをやり、しっかり準備してきたじゃないですか」と面接に送り出しています。私たちにできるのは、そんなことくらいですが、結果からすると、「準備に目を向けてください」はかなり効果があるようです。
スポーツでも映画、演劇、お笑いや芸能でも、耳をすまし、目を向ければキャリア・コンサルタントの仕事のヒントは世の中にはいっぱいあります。森保ジャパンの選手や監督の大会中のコメントには就職活動の面接や自己アピールの参考になる言葉がいっぱいありました。そういう意味でも感謝をこめて選手、監督、スタッフの皆さんに「ブラボー！」。
若者コーナー T.N
最終更新日:2023年01月24日