働く上で相談することのメリットについてのコラムを4回シリーズでお送りしています。
第1回目のコラムはこちら
知らないことを知ることは難しい
まず就職や就労において知っていてほしいことがいくつかあります。自己分析、書類作成、面接などといった就活の行動や手順のパターン。そして就活や就労のルールや法律、社会人マナーなどです。
これらの情報については、インターネットで簡単に調べることもできます。しかし、情報が細切れであったり、サイトによっては違う方法や手段が書かれていたりすることもあります。また自分が知りたいことは調べられますが、気づいていないことを意識的に調べることは難しいと思います。
就活や就労には、人の特性がマイナスになってしまうことも…
就活や就労は自分の経済・生活面に直結していることです。そして多くの場合、複数応募して、採用よりも不採用になるパターンの方が多い経験となります。すると「次は決まらなかったらどうしよう」とか「またうまくいかないかもしれない」と焦りや不安を感じながら活動することにもなります。
また不安や焦りを感じると人はネガティブな側面に注目しやすくなります。そうなると応募先(就労先)の企業や働く自分自身について悪く見えてしまい、就活や働くことそのものへのやる気の減退や活動の停滞につながることが少なくありません。しかしこれらの活動は生活に直結するので、「やりたくないけど、やらなければならない。」という二重に苦しい状況を生み出し、さらなるやる気の低下へと悪循環・・・どころかネガティブスパイラルを作り出してしまいます。
このネガティブスパイラルなのですが、心理学では無意識下で発動する自動思考と名付けられます。その正体はマイナス側に作用することで自分を守ろうとする人間など生き物の特性のひとつです。しかし本人が意識的に選択しようとする方向と逆行してしまうことも少なくないため、ここでも二重に苦しい状況が生まれてしまうということです。
さて今回は、就活をしている人、働いている人が、抱えやすい悩みを挙げました。
次回は、これらの悩みに“相談”がどう役立つのか、について説明していきますので、ぜひ読んでくださいね。
文責:埼玉しごとセンター 心理相談担当
臨床心理士および公認心理師より
最終更新日:2021年03月30日