就職・転職活動の進め方 ―女性コーナーでよくあるお話から― | 埼玉しごとセンター

就職・転職活動の進め方 ―女性コーナーでよくあるお話から―

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よくあるお話 ―理想と現実―

「今の仕事にやりがいを感じない」、「自分がいなくても誰がやっても同じだと思う」、「経験したことが活かされていない」、「残業がないと聞いていたのに余分に働かされる」、「仕事についていけない」等々、せっかく再就職したのに自分の希望に沿うような満足できる仕事内容や職場環境に出会うことは、実際にはなかなか難しいという現状があります。

久しぶりに頑張って就職活動をして、ようやく納得できる仕事に採用が決まり、働き始めてみてしばらくすると上記のお話のような様々な問題に気が付いてきます。「理想と現実とのギャップ」という言葉を耳にすることがありますが、就職での「理想と現実のキャップ」=「ミスマッチ」について、その原因を考え、どう対応したらよいのか検討してみたいと思います。

「働きたい私」と「働けない私」

女性の多くには、初職(学校卒業後に就いた仕事)をそのまま継続して停年退職まで一つの事業所や会社で働くということが難しいという現状が見受けられます。職業人として「働きたい私」と結婚、出産、体調不調、転居、介護など、現実の生活を担うことの制約のなかで思うように「働けない私」とのジレンマを抱えていることが多くあります。

このことから自己分析(職務の棚卸)=「何ができるか」だけではなく、環境分析=「働ける状況なのか」を客観的に認識することの両方が大切になってきます。現状認識が客観的にできれば、「今できることから始める」ための優先順位を検討することもできるようになります。

更に求人情報をよく読み込むことによって、自分自身の応募の範囲や就職の可能性が明確になってきます。自分の就職可能性が掴めたら、就職活動をより効果的に、円滑に進めることができるようになります。

就職での「ミスマッチ」を防ぐために

就職での「ミスマッチ」を防ぐためにためには、先ず求人情報を丁寧に正確に読み込むことからスタートします。職種・仕事内容は特に大切です。「どのように働いてほしいのか」=「会社の求める人物像」の内容が具体的に記載されており、経験職種と照らし合わせてみて、「働きたい私」や「働けない私」と擦り合わせをしてみると、経験した仕事、経験のない仕事、得意な仕事、不得意な仕事、興味関心のある仕事、トライ・チャレンジしたい仕事、時間的に無理な仕事等々を検討することができます。そして、自分自身の働くビジョン「どう働きたいのか」を知る手が掛かりをそこから見つけ出すことができます。

ここで注意したいのは、「働きたい私」の理想や、逆に「働けない私」の思いが強い場合、バイアスがかかって、実際の自分像から離れたところで、働くビジョン「どう働きたいのか」が描かれてしまうことがよくあるということです。「こうありたい」「こんなふうに働きたい」という理想や、あるいは逆に「できっこない」「無理に違いない」などの思い込みが強すぎると、求人情報を正確に読み取れなくなり、「会社の求める人物像」を受け止めることが難しくなります。就職での「ミスマッチ」はこのようなところから生じてきます。

就職活動の基本、求人情報の読み込みは大変重要です。一人で悩まずに就職相談などを活用して客観的に正確に情報を読み取るようにしたいものです。

「つなぎの仕事」とは

実際の就職活動では、最初に述べました通り、満足のいく仕事を得ることが難しいというのも事実です。段階的に就職活動を考えてみることも必要になってくると思います。

特に、女性の場合、ライフステージの変化に伴い働く場所、時間、内容などが大きく影響を受けます。「自分に合った良い仕事」は、自分の希望や状況を現実の求人情報に照らし合わせて、その時点で納得のできる(意味付けができる)仕事を選択することで得ることができます。言い方を変えれば、「自分に合った良い仕事」はライフステージの変化と共に、自分の働き方を柔軟に検討し、受け止め、次の仕事へと繋げてゆくための「つなぎの仕事」としての意味も持つものなのです。どのような状況にあっても、諦めずにその時にできる最善の努力を続けていくことで、「つなぎの仕事」は次のステップへと繋がる「つながる仕事」として、一歩を踏み出す大きな力となっていくことと思っています。

継続は力です。「理想と現実のギャップ」(就職のミスマッチ)を埋めるために、目の前の仕事を大切に、働き続ける努力によって「つながる仕事」としての確固とした経験を積み重ねてゆくことが何より重要なってくるものと考えます。

以上

女性コーナーキャリアコンサルタントO

最終更新日:2021年09月16日