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自己評価、自己分析

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拡大鏡を持つビジネスマン

就職活動の相談を受けていると、「自分の長所が見つかりません。」、「たいしたことはできていないと思う。」という声をよく聞きます。背景には前職で挫折を経験したことや就活で不採用が続いているなど“うまく行かない”ことが続いているときほどこの言葉がでてくるように思います。

この長所や自分のアピールポイントを考える際に、自分で評価(自己分析)をつけているのですが、今回はその自己評価の考え方についてお伝えします。

 

(1)評価基準は“できていない”

まず「基準」の話です。数学や算数で考えると基準は原点です。別の言葉でいうと「0」を指します。物差しを考えてもらってもよいのですが、測る時は「0」から測りますよね。だから自己評価も「0」つまり、できていないときと比べた数字が客観的な評価になります。

(2)理想も“できていない”

次に「理想」の話です。理想は別の言葉で置き換えると「目標」になります。数値で表すと「100(※)」です。当たり前の話ですが、理想という言葉は、今到達できていないというときに使います。できていないから「理想」または「目標」なのです。だから評価の値が50だったとしても、1だったとしても少しでも経験があれば、あなたの評価は「プラス」なのです。

就活中の皆さま、いいですね。自己評価は必ず「プラス」でよいのです。

※正確には最終目標を100としますが途中の数値もまたひとつの「目標」になります。

Ex:現在の自分を50とすると、60もやはり「目標」の値です。言葉でいうと「チェックポイント」でしょうか。

(3)マイナスは“これからできるようになること”

そんな馬鹿な。マイナスにしないと成長できない。理想通りできなければだめと言われる。といった思いや経験が浮かぶかもしれません。

実はこの言葉は評価方法の違いでしかありません。(1)と(2)は基準から今の自分や理想を見ています。だから必ずプラスです。ではこれらの考え方はというと逆方向からの見方です。つまり理想を基準として今の自分を見ています。今まで「100」だったものを「0」に置き換えてみているのです。だから必ず「マイナス」なのです。ただこの考え方は就活には非常に相性が悪いです。なぜなら就活は「プラス」を伝えることが重要な活動だからです。この見方で「プラス」を作ろうとすると・・・理想を超えた人間にならなければいけません。数字でいうと「101」です。今まで100しかなかったのにどうやったら101になれるのでしょうか。そして101になれないのに就活するとはどういうことでしょうか。矛盾がたくさん生まれてしまいます。

この「マイナス」ですが、今の自分の中にないものはプラスの見方でいうなら「これからできるようになること」です。(2)でいうところの目標です。

 

(4)どっちの見方もしてみましょう。

「プラス」の見方をしましょうと伝えてきましたが、「マイナス」の見方をしてはいけませんとも言っていません。実はこの「マイナス」の見方も重要な要素があります。「マイナス」は「ダメなもの」ではなく、「避けたいリスク」を表しています。リスクマネジメントという言葉があるように見逃していいものではありません。ただ人間は、「マイナス」に自然と目が向きやすく、「プラス」に目が向きにくいという性質があります。ですから特に「プラス」の見方を意識して自分を振り返ってみましょう。

臨床心理士(公認心理師): 徳村 勇起

最終更新日:2021年09月01日